八正道の「正思」をわかりやすく解説しました

八正道の一つである「正思」の意味を分かりやすく簡単な言葉で解説しました。

正思とは正しくものを思うということです。普段私たちはいろんなことを思いながら生活をしていますが、この「思い」が自分の人生の幸不幸に直結していると思っている人はどれだけいるでしょうか。

「何を思おうが自分の自由だ。」

そう思っている人はものの法則を知らない人ということになります。良い思いを持って生活している人には良いことが返ってきますし、いつも悪いことばかり考えている人には悪いことが返ってきます。

やまびこと同じで、自分から発せられたものはすべて自分に返ってくるのです。

また「思い」は、ものを作り出します。身の回りを見渡すといろんな便利なものがありますが、これもすべて人々の「思い」から始まったものです。何の思いも無いところには何も生まれてきません。

こう考えると、いかに「思い」が私たちの生活に影響を与えているかがわかります。幸せな人生を送りたいとすれば、「思い」を正す必要があります。

ここでは、正しく思う「正思」について考えていきたいと思います。

正しい思いと不調和な思い

正しい思いとは、自分のことだけではなく、相手の立場や相手の幸せを考えて調和することを目的とした思いを指します。そのような人には多くの人々が集まって場も明るくなり、何か困ったことがあっても手を貸してくれることでしょう。このように相手の立場も考え、お互いが活かされる共通の思いが正思の最低条件となります。

逆に不調和な思いとは、自分のことしか考えない思いです。自分だけ良く思われたいとか自分だけラクをしたいとか、相手のことはそっちのけで自分の利益だけを考える人には誰も近寄りたくないですよね。場も暗くなり孤独になってしまいます。困ったことが起きたとしても助けてくれる人は誰もいないかもしれません。

良いことも悪いこともすべて自分に返ってきます。すべての法則は相互に作用し合って循環しているからです。

思いは必ず行動、形となって現れる

普段何げなく頭を掻いたり鼻をほじったりしますが、この行為も心からの命令が無いと動くことはできません。心からの命令が脳、神経、腕を通して伝わって初めて動くということです。無意識の行動にしても、そのときは意識していなくても過去に意識したことがあって、それが行動となって現れているのです。

身の回りにはたくさんの道具があります。洗濯機や掃除機、炊飯器、エアコンなど、私たちの生活を便利にする道具であふれています。これらも最初は「生活を豊かにしたい」という人々の思いから始まってできあがったものです。

このように、思いは必ず行動なり形となって現れるものです。私たちの健康や運命、人との調和なども、まず自分の思いから始まり、時間をかけて形となって現れてきたものです。
こうみると原因となる思いを正すことが大切だということがよく分かりますね。

我慢と忍辱

我慢と忍辱

自分に不都合なことが起きた場合や、相手との意思疎通がうまくいかず理解し合えない場合、自分の思った通りにものごとが進まない場合、我慢を強いられることがあります。

我慢とは怒りや愚痴、恨みの念を心に宿しながらも内に抑え込んでしまうことです。我慢は一時的に抑え込むことができても、どんどん蓄積されていきます。我慢に我慢を重ねていると、いずれは大きく爆発するときが来ます。

その「我慢」と似て非なるものが「忍辱」です。忍辱とは耐え忍ぶことですが、怒りや恨みを内に抑え込むことはしません。まず怒りを覚える自分の心を見つめ直し反省します。また怒りの原因となる相手がいるのであれば、その人の心の調和を願うことです。心は相手に通じるものなので、いずれは相手の心にも調和が訪れるときが来ます。

このように、怒りの思いを捨てて忍辱を学ぶことで、自分も相手も調和の心で満たされるよう願うことが正しい思いなのです。

聖書にみる正思

マルコによる福音書

すべて外から人の体に入るものは、人を汚すことができないことが分からないのか。それは人の心の中に入るのではなく、腹の中に入り、そして外に出される。

こうして、すべての食べ物は浄められる。人から出てくるものこそ、人を汚す。
中から、つまり人間の心から、悪い思いが出てくるからである。

みだらな行い、盗み、殺意、姦淫、貪欲、悪意、詐欺、好色、ねたみ、悪口、傲慢、無分別など、これらの悪はみな中から出て来て、人を汚すのである。

マルコによる福音書 第7章18~23(抜粋)

イエス様の弟子たちが手を洗わずに食事をしたことをファリサイ派の人々や律法学者たちが咎めたことに対するイエス様の言葉です。

心から出てくる悪い思いが人を汚すということから、正しい思いを持つことが大切であることをイエス様もここで指摘されています。

まとめ

以上のように、正しい思いをまとめると

  1. 正しい思いとは、相手の立場や相手の幸せを考えて調和することを目的とした思い
  2. 不調和な思いとは、相手のことはそっちのけで自分の利益だけを考える自己中心的な思い
  3. 「思い」はいずれ形となって現れるものだから、良い結果を生むためにはまず正しい思いを持つことが大切
  4. 我慢することをやめて忍辱を心掛ける
  5. 心から出てくる悪い思いが人を汚すことから、正しい思いを持つことを心掛ける

以上のように挙げられます。ご参考にしていただければ幸いです。